2016年12月31日土曜日

結婚しても、子どもがいても、ずっと仕事をしていたい

結婚しても
子どもが生まれても
ずっと仕事をしていたい

ただそれだけのことだと私は思っていました。



もうすぐ父親になる男性に、

子どもができたら仕事どうするんだ?
続けるのか?
辞めるのか?

なんて聞く人はいません。


でももうすぐ母親になる女性は、必ずと言っていいほど聞かれます。

仕事どうするの? と。



なぜでしょう?
みんなそれが当たり前と、きっと心のどこかで思ってるんですよね。



私は入社後2年目に結婚しました。
就職の最終面接で結婚の予定は?と聞かれた時、実はウソをつきました。



すでに婚約していましたが、結婚の予定はありませんと答えました。

大学4年の時、十社ほど就職試験を受けましたが、すべて不採用。
唯一、最終面接まで残った会社だったから、必死だったんです。


それに結婚とか出産とか関係なく、一生その会社で働くつもりで入社したので、たいした問題ではないと勝手に思ってました。

世間は、結婚したら退職する「寿退社」が当たり前の時代だったけど、私は違いました。



入社2年目で、上司に結婚の話をした時、寿退社ですねと言われたので、仕事は続けますと言ったら驚かれました。

翌年、子どもができたことを先輩に告げると、「まさか仕事を続けるつもりじゃないよね?」という言葉が返ってきました。


そして上司にはこう言われました。

「小野さんが考えているほど子育ては楽じゃない。悪いこと言わないから会社を辞めて家庭に入りなさい。」と。


今で言う、肩たたきですね。


私は、皆さんに迷惑かけないよう頑張ります、仕事を続けさせてくださいと上司にお願いしました。
先輩にもお願いしました。

何度も何度もお願いしました。

でも結局、仕事をつづける事を認めてもらえませんでした。


とてもやりがいのある職場でした。
仕事はとても充実していました。

会社の雰囲気も大好きでした。
同僚も先輩も大好きでした。
一生働き続けたいと思える会社でした。


でもそれは叶いませんでした。

結局、たった3年で退職することになってしまいました。

私の実家が近くにあって、急病の時は母が代わりに診てくれるという環境であれば、退職せずに済んだかもしれません。



だけど・・・

今から思えば、私にとって、その結果はいいことだったんだと思います。

でなければ、今もその会社で働いていたでしょうから、現在の仕事には就いていません。

だから、よかったのです。
今の仕事は天職だと思えるほど、好きな仕事ですから。


当時は、どうしてわかってくれないんだろう・・・と、とても悲しかったし、仕事を奪われてすごく悔しかったけど、結果的にはだから、今があるということですからね。


幸い、長男を出産した半年後、知り合いの伝手で仕事をいただけることになり、社会復帰しました。



10年くらい経ったある日、私はある用事があってその職場に遊びに行きました。

私に退職勧告をした上司は、すでに定年退職されていましたが、それ以外の方々は皆さん変わらずにいらっしゃいました。

仕事を続けたいとお願いした先輩もいらっしゃいました。


自分の近況として、出産後半年で社会復帰しずっと仕事を続けていると伝えると、その先輩が私にこう言ったのです。


「あの時はゴメンね・・
 まさか本当にここまで仕事を続けられるとは思ってなかった」

そう謝ったのです。

私は別に恨んでいたわけでもなく、すでに新しい仕事を見つけて、もっと大きなやりがいを感じていたので、私の中では過去の出来事でした。


心の奥底にあった小さなわだかまりは消え、先輩に何も気にしていないと伝えました。
先輩は勇気ある心優しい人だと感じました。



そしてもう一つ今だから思うことは、私にも原因があったということ。

妊娠がわかったのは切迫流産になってしまったからです。
妊娠がわかったと同時に緊急入院でした。

10日ぐらい、絶対安静でした。

幸い、安定したので退院し、仕事に復帰しました。


それが、本当に仕事ができるのかと、周囲を不安にさせた要因だったかもしれません。




これは、今から20年ほど前の話です。


男女雇用機会均等法もできて、社会の認識も変わりました。

でもまだまだ、当時の私と同じ状況に追い込まれる女性がいるというのは切ないことです。
昔は大変だったんですね~  と笑い話にできる状況にはなっていません。


結婚しても
子どもがいても

仕事をしたいと思えば、何の違和感もなく仕事ができる
男性も女性でも

そんな日本は、いつ訪れるのでしょう。


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